去る10月26日、高円宮妃殿下の御臨席の下、行政書士制度70周年記念式典をホテルオークラ東京(東京都港区虎ノ門)にて開催いたしました。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、参加者を制限した中での開催となりましたが、各単位会から御参加いただいた会員の皆様を含め総勢約250名の出席者を得て、盛会裏に終了することができました。御来場いただいた皆様、そして本式典の開催にあたり御協力いただいた関係者の皆様に、改めて心から感謝申し上げます。
本式典では、高円宮妃殿下からの御言葉、岸田内閣総理大臣によるビデオメッセージを賜り、御臨席いただいた山東参議院議長、大谷最高裁判所長官、金子総務大臣から御祝辞を頂戴いたしました。さらに、行政書士制度70周年総務大臣特別表彰、日本行政書士会連合会会長特別表彰が行われました。また、日本行政書士会連合会及び日本行政書士政治連盟の歴代会長のほか、これまで行政書士制度を支えて来られた方々にも御参集いただきました。
高円宮妃殿下からは、行政書士がこれまで業務を通して経済社会の安定と発展に大きく寄与してきたことに加え、コロナ禍における持続化給付金や一時支援金の申請手続等の支援や自然災害の被災者支援にも言及され、「事業者の皆様にとっては大変心強い存在であった」「人々の心に寄り添い、社会に貢献する業務に励んでこられた行政書士の皆様は、今や地域に欠かせない存在」とのお言葉を賜りました。行政書士制度への深い御理解と大きな期待を賜り、私は胸が熱くなりました。高円宮妃殿下からの御言葉、御来賓の皆様からの御祝辞をいただき、改めて行政書士制度が諸先輩方の御努力や多くの関係者の皆様の御理解御協力の上に成り立っていることに深い感銘を受けるとともに、心新たに会務に尽力することを誓う機会となりました。私たち行政書士にとって、大変励みとなる式典となったのではないかと存じます。
さて、行政書士制度70周年という節目を迎えた本年を改めて振り返りますと、6月に改正行政書士法が施行され、行政書士法の目的規定に「国民の権利利益の実現に資すること」が明記されるなど、行政書士制度にとって大変重要な年となりました。
これまでも行政書士は、地域に根ざした「頼れる街の法律家」として、その業務や災害時の被災者支援、成年後見等の社会貢献活動を通して、国民と行政の架け橋となり、国民の権利利益の実現に貢献してまいりました。昨年から続く新型コロナウイルス感染症の感染拡大にあたっては、コロナ禍により影響を受けた国民や事業者の支援として、持続化給付金等政府の各種支援策に協力してまいりました。また、政府が進めるデジタル社会の実現に向けた対応として、全ての国民が等しくデジタル社会の恩恵を享受するという目標を共有し、関係各所への提言や関係省庁との折衝を進めてまいりました。引き続き、行政書士の特性を生かし、コロナ対策支援とデジタル化への対応を推進してまいります。
行政書士制度は、戦後の国家再建期に国民の求めに応じて誕生した制度です。社会の変化に合わせて発展し、常に国民の皆様に寄り添う存在として歩んでまいりました。これからも皆様と共に、新たな行政書士制度の歴史を刻んでまいりたいと考えています。今後とも御支援御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
令和3年11月10日
日本行政書士会連合会
会 長 常 住 豊