令和3年3⽉11⽇を迎え、東⽇本⼤震災及び東京電⼒福島第⼀原⼦⼒発電所の事故から10年の⽉⽇が経過いたしました。改めまして、この震災でお亡くなりになられた⽅々のご冥福を⼼よりお祈り申し上げるとともに、被災された全ての方々に、心からお見舞い申し上げます。
今年に入ってもなお、⾏⽅不明者の捜索活動は懸命に行われております。さらに、県外への避難を余儀なくされ故郷に帰ることが叶わない⽅、生活基盤の再建もままならない方も未だ大勢おられます。被災者の皆様の⼼の傷を思いますと、復興はいまだ道半ばであると言わざるを得ません。また、去る2月13日には福島県沖にて、最大震度6強を観測する地震が発生しました。この地震は10年前の震災の余震であるとも見られており、10年という月日が過ぎようと、東日本大震災が決して過去の歴史ではないことを改めて私たちに認識させるものでした。
当時を振り返りますと、⽇本⾏政書⼠会連合会は、東⽇本⼤震災後ただちに東⽇本⼤震災⼤規模災害対策本部を⽴ち上げ、被災された皆様への義援⾦の募集を開始するとともに、必要な支援策について省庁等へ提言を行いました。また、全国の行政書士会が協力し、岩手県・宮城県・福島県などの各被災地域での無料相談会の開催や、被災⾃動⾞の抹消登録に係る無料相談・無料⼿続などの支援を実施しました。福島県においては、「被災者相談センター(福島事務所)」の運営を開始し、⾏政や原⼦⼒損害賠償⽀援機構と連携した様々な支援事業を行ってきました。被災者相談センターは、その事業を福島県行政書士会の総合相談センターに引継ぎ、現在もなお被災者の方の相談対応を行っています。
このときの経験は、私たち行政書士が災害発生時に果たすべき役割を考えるうえで、大変大きな影響を与えました。結果、現在では全国の⾏政書⼠会が個別に地元⾃治体と災害時協定を結び、発災時の細やかな地域⽀援活動を⾏えるよう体制を整えています。その後各地で発生した大規模災害等においても、これらの協定に基づく活動として、行政書士による罹災証明書の発行申請の補助など、地域住民や行政の支援を行っています。
地域に密着し人々の生活を支援する国家資格者として、行政書士は、被災者の方々に常に寄り添う資格者でありたいと、私たちは考えています。東日本大震災は、今もなお私たちの社会に大きな傷跡を残したままです。あの日から様々な痛みを抱え、あの日のことをいまだ忘れられない方々も数多くいらっしゃることと思います。日本行政書士会連合会は、基本方針として掲げる「地域との共生」の下に、被災地の住民や⾃治体に寄り添いながら、今後も様々な形で復興⽀援に取り組んでまいります。
令和3年3⽉11⽇
⽇本⾏政書⼠会連合会
会 ⻑ 常 住 豊