平成27年5月15日
行政書士の消費者トラブルについて
日本行政書士会連合会
会長 北山 孝次
近年、いわゆる「アダルトサイト」の運営業者から、その利用料等の名目でインターネット利用者に架空請求がされるケースが継続的に発生しています。これに関し、一部の行政書士が「トラブルの解決」をうたい、主にインターネット上に公的機関等と誤認させるような名称を使用するなどして広告を出している事実を把握しました。このことは、平成27年5月14日に独立行政法人国民生活センターが発表した資料においても指摘されています。
このことで国民の皆様や関係機関にご迷惑をおかけしていることに対し、お詫び申し上げます。
利用登録の意思がないにも関わらず、URL等を1回クリックしただけであたかも登録され債務が発生したかのような表示が出る、いわゆる「ワンクリック契約詐欺」等の架空請求については、利用者と業者の間で契約が成立しているとは言えず、基本的には相手方の言い分を無視し反応しないことが最善であります。
行政書士は、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類の作成及び相談を業とする法律の専門家として、身近なお困りごとの相談をお受けしています。
しかし、このようなトラブルの解決交渉を行うことは、行政書士の業務範囲を超えるものです。また、利用者が支払ってしまった額について仮に業者と連絡を取って返還の交渉をする場合、行政書士がその代理人となることは法律上できません。
当会としては、全国の行政書士会に対して会員の業務の適正化に取り組むよう周知するとともに、今後とも不正又は不当な手段で依頼を誘致するような行為は厳に慎むよう、会員指導を徹底してまいります。